国際拳道学連盟
空手文化の歴史とその将来像


拳道学の安全防具と試合

防具試合は体験学習による人間の成長、および、
真の技術の体得とその追求を目的とする

試合の目的

 拳道学は、拳・空手を学問として形成することで、

○次世代を正しい方向へ導く人材の育成
○そのような人材を育む新しい文化の創造

を行い、それを通して平和で楽しい世界を築き上げることに貢献しようとしています。私たちは、人間が人として成長するには知識と経験をもとに考えていくことが必要不可欠であると考えています。拳道学は、拳・空手を題材として、知識と経験をもとに考える環境を提供することを行っています。知識は人から学んだり、本を読むことで得ることはできますが、体験は他人から得ることはできません。拳道学では試合を体験学習を行うための道具のひとつとして捉えています。
 拳道学は「理論」と「技術」の2つの柱から成り立っています。理論とは「人としての成長」であり、技術とは「格闘技術の研究」です。試合を通じた体験学習はこれら両方に必要なものなのです。

これを繰り返しながら成長していく

その1.人としての成長

 これからの社会を築いていく人には、自ら考え実行していく能力、他人を尊重し思いやる心が必要不可欠です。これらの必要性は一部の人々の間で言われており、その知識を得ることは可能です。しかし、知識を得てもその考えをもとに自ら実践できなければ習得したとは言えません。拳道学の試合では、自ら工夫した技を行うこと、相手を尊重し思いやった試合を行うことが求められます。その一例として、拳道学の試合では技を受けた人がそのことを自己申告します。このような試合を繰り返し行っていく中で、体験を通して、自ら考え実行していく能力、他人を尊重し思いやる心を実践し、習得していきます。

その2.格闘技術の研究

 真の格闘技術を体得し研究していくには、技の有効性の検証が必要不可欠です。技の有効性とは、相手に十分な強さをもってあたったかどうかです。技のイメージを頭の中で描いても、相手が複雑に動く状況では、必ずしもイメージ通りにはいきません。格闘技術の技とはそのような状況の中でも十分な有効性をもった技のことを言うのです。さらに、格闘技術では、技の動きだけでなく、相手とのかけひき、隙を見抜く能力、相手の技術レベルを見抜く能力等、試合を通してしか学習できない要素が数多くあります。技とは、このような能力と一体化してはじめて有効になるのです。したがって、格闘技術の研究には試合が必要不可欠なのです。

安全防具による試合

 現代社会で格闘技術の試合を行うには、十二分な安全性を確保した上で行わなければなりません。試合は果し合いではありません。試合の相手は敵ではなく、ともに学ぶ仲間なのです。安全に楽しく試合ができるような環境を作らなければなりません。そのためには「安全防具」が必要不可欠です。拳道学では、昭和30年代前半には安全防具を完成し、ぞの防具は昭和40年に「空手胴着」として実用新案登録されています。これは、拳・空手用の防具として世界ではじめて実用化したことを証明するものです。

 安全防具があれば試合が可能かと言うとそうではありません。古くから伝わる拳・空手の技術は、そのままでは使えない空想的な技が多いのです。したがって、防具試合を通じて一つ一つ技の有効性を検証しながら技の改良・付加を行い、現在の拳道学の合理的な技を創りあげてきました。

 どんな状況でも完全に人を保護できる防具は現実的には不可能です。どんな道具も使い方を誤れば危険になりますが、防具も同様なのです。試合を行う人同士が、相手を思いやり、危険を回避しながら、余裕を持って試合を行わなければなりません。そのために、拳道学では、人間性・技術両面からみて、そのような試合が可能なレベルに達した人にだけ防具を用いた試合を許可しています。

大人の試合
相手の横を抜けながらの中段手刀打ち
大人の試合
倒してからの押さえ込み
少年の試合
少年の場合、面はないため、使用できる技に制限を設けてある
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